nullとundefinedってなにがどう違うの？

プログラミングを始めたばかりの方が最初につまずきやすい概念の一つに、「null」と「undefined」の違いがあります。JavaScriptではどちらも「値がない」ことを示すために使われますが、その意味や使い方には違いがあります。この記事では、プログラミング初心者にも分かりやすく「null」と「undefined」の違いを解説します。

nullとは何か？
1. 例:
undefinedとは何か？
1. 例:
nullとundefinedの違い
1. 比較例:
どちらを使うべきか？
1. 例:
まとめ

nullとは何か？

「null」は、意図的に「値がない」ことを表すために使われます。具体的には、変数が「何もない」状態を示すために開発者が明示的に設定する値です。

例:

let emptyValue = null;
console.log(emptyValue); // 出力: null

上記のコードでは、変数emptyValueに「null」が代入されています。これは「emptyValueには値がありません」という意図を示しています。

undefinedとは何か？

「undefined」は、変数が宣言されたけれど、まだ値が設定されていない状態を表します。JavaScriptでは、変数を宣言したが値を代入していない場合、その変数の値は自動的に「undefined」になります。

例:

let uninitializedValue;
console.log(uninitializedValue); // 出力: undefined

上記のコードでは、変数uninitializedValueが宣言されましたが、値が代入されていないため、その値は「undefined」になります。

nullとundefinedの違い

null: 開発者が意図的に「値がない」ことを示すために設定する。
undefined: JavaScriptが変数に値が設定されていないことを示すために自動的に設定する。

この2つの違いは、開発者の意図とJavaScriptの内部動作に関係しています。

比較例:

let value1 = null;
let value2;

console.log(value1); // 出力: null
console.log(value2); // 出力: undefined

console.log(value1 == value2); // 出力: true (値の比較では等しいとされる)
console.log(value1 === value2); // 出力: false (型も含めた厳密な比較では異なる)

上記のコードでは、value1は「null」に設定され、value2は値が設定されていないため「undefined」になります。==演算子を使うと「null」と「undefined」は等しいと評価されますが、===演算子を使うと型も比較されるため異なると評価されます。

どちらを使うべきか？

null: 変数が意図的に「値がない」ことを示したい場合に使います。
undefined: 通常はJavaScriptによって自動的に設定されるので、明示的に設定することはあまりありません。

例:

function findUser(userId) {
    let user = null;

    // ユーザーを検索する処理
    // ユーザーが見つからなければuserはnullのまま

    return user;
}

let user = findUser(1);
if (user === null) {
    console.log('ユーザーが見つかりませんでした');
}

この例では、findUser関数はユーザーを検索し、ユーザーが見つからない場合はnullを返します。これにより、呼び出し元のコードはユーザーが見つからなかったことを明確に確認できます。